ル・グラン・コントロール

夜のベルサイユ宮殿を貸切に
それが僕らの結婚式。

「私、お姫様になっていいの？」

昔絵本に描かれていた心優しいお姫様。

そうあの時代にタイムスリップ。

王族の一員になったような実感。

「これからずっと僕のお姫様だよ、君は」

ベルサイユ宮殿がそばにある。

隣接しているのではなく、

ベルサイユ宮殿の敷地内に１７世紀にできた建物がここ。

客室は７室。

スィートが６室。

豪華なアパルトマン１室～ご希望があれば長期間住んでしまう？

どの部屋も当時の装飾と現代的な快適さが融合している。

結末はどうあれ、

ルイ１６世とマリー・アントワネットの生きた世界が辿れる。

まるで、ふたりを直に見ていた王室の一員になったように。

その時代の造詣が深いアラン・デュカス総指揮のもと、

衣装と専属バトラー付きの豪華な晩餐会を存分に楽しむことさえ可能。

観光客の群れがいない時間帯に、

鏡の回廊などヴェルサイユ宮殿のありったけをガイドが案内するアフターツアー。

早朝のトリアノン宮殿、王妃の離宮。

社交界に生きたマリー・アントワネットは豪華で華麗だった。

だけど、

質実剛健な女帝マリア・テレジアに育てられたアントワネットは、

贅沢を好まず、離宮で静かに過ごすのが好きだった。

ルイ１６世の錠前いじりの趣味は周知の事実。

王族に生まれなかったら、

二人の人生も変わっていたかもしれないね。

この贅沢なホテルがうれしいのだけれど、

二人の「本当」を思うと、ちょっと切なくなる。

歴史には、裏と表、神様のいたずらがフレーバーとしてある。

「君は、幸せな結末のお姫様になるんだからね」

僕は、君の手をぎゅっと握った。