俺の生き様ドネーション

僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない
正しいものは何なのか、それがこの胸に解るまで

商談が終わって、

軽く飲んでいた。

「僕、アフリカに、幼稚園持っているんですよ」。

ちょっと耳を疑った。

「アフリカの子供たちはね、学ぶことに真摯でね。

　もう、キラッキラした瞳で授業を受けているんですよ」

「失礼ですが、この仕事をする前に、アフリカで教師をなさっていたとか」。

当然こんな流れになった。

よくCMで、

アフリカの、いや発展途上国の子供を助けるために、

ワクチン募金をしないかというのは流れている。

けれど、

彼が話してくれたのは全く違うものだった。

「アフリカではね、100万円もあれば、学校が建つんですよ。

将来的には自分の幼稚園から、未来の大統領が出たらいいな、なんて夢なんですよ」。

俺は愕然とした。

ワクチン募金の金額ほどのランチ。

そして、幼稚園を建てられるほどのミニパーティ。

そのどちらかを1回パスすることで、

子供たちの未来を作ることができる。

アフリカの子供たちのためにもう動き始めている、同じ日本人がいる。

俺はいったい何をしているんだ。

その日から、俺は調べながら考えた。

俺がこの世に生きた証に、

立派な墓を建てることは、子供たちの未来になにも貢献しない。

彼が、幼稚園ならば、

俺はそれを引き継ぐ小学校を作る。

その敷地のすごくはじっこの土に、俺はなればいい。

きっと子供たちが、

歌を歌ったり、

走りっこしたり、

花冠を作ってくれたり。

きっとにぎやかになるだろう。

商談の後の何気ない会話から、

教えてもらう大きなことはたくさんある。

それは仕事のことではなく、人間の生き方のこと。

まだ小さな命たちを育てる。

そんな人生も、ある。