プロポーズ アゲイン

僕の理想の先輩は、
いつだって、あのCMの寺尾聡さん。

プロポーズ、してみませんか？　もう一度。

結婚生活の酸いも甘いも噛み分けた、結婚三十年の節目に。

世の中に、結婚についての格言・箴言は数あれども、

そのまことの意味を実感するのは、いくばくかの時間を経てから。

キリスト教の結婚式では、

「健やかなるときも、病めるときも、愛すると誓いますか？」

と問いかけられるけれども、

その言葉が沁み入るのは、

壇上で誇らしげに誓い合う新郎新婦ではなく、

その姿を眩しげに見届ける親御様でしょう。

かつてのふたりに重ね合わせて、

「あの時の誓いは、本物だったね」と、

おふたり心の中で、微笑んでいるかもしれません。

かくいう我らが夫婦はいかなりしか。

三十年もの時の流れを振り返ると、

きらめく喜びのひとときと、心をふさぐ悲しみの影が、

複雑に交差していることに気づきます。

あこや貝は、異物を巻き込んでこそ、五色に照る真珠を抱くようになりますが、

ひとつがいの貝殻のように手を携えた夫婦もまた、

喜怒哀楽を心に宿して、円熟します。

真珠は、ご家族の喜びの日を飾ります。

哀しみの日には、涙となります。

ひとすじの真珠のくびかざりを手にするときは、

積み重ねてきた一日いちにちを、おのずと思い出すのではないでしょうか。

これまではご家族のために身につけてきた、しらたまのつらなり。

三十年目のその日には、

ふたりのために装って、ふたりのあゆみを振り返り、続く道に思いを馳せてはいかがでしょうか。

一〇九五七もの日を積み重ねた、

三十年目の結婚記念日を＜真珠婚式＞と呼びます。

若者には清らかさを、年長者には深みを。

すべての年齢のひとの美を讃える、自然が育んだ宝石。

人生の節目に寄り添う真珠ほど、この記念日の名にふさわしいものはないでしょう。

真珠には、ご家族の物語があります。

いま再びのプロポーズを、

積み重ねてきた愛の言葉、誠の誓いを、真珠とともに。